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ROやコスプレ造形やネタの日々徒然。


by unai-fsp
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花見、その3

花見の続きです。

いなたい雰囲気を散々堪能した後、近くのみやげ物や名産品売ってるところに行きました。
試食品をつまみつつ一通り見て回ると、入り口辺りであるものが売られている事に気付きました。

『大人気!しらすアイス』

しらすアーイス!しらすといったらあれか、白くてちっちゃくて鰯の稚魚で、たまーに混じってるちっちゃいタコを見つけると少し幸せな、御飯のお供としておなじみのあいつか。
あれをアイスに混ぜようというのかッ!なんたる発想力!なんたる奇策!
これはもう注文しなきゃバチが当たるってモンです。これをスルーしたらネ田に怒られます。
しかも横には、わさびアイスなる、しらすアイスに負けず劣らず、すごいオーラを発しているものも売られています。
い く し か な い

ひとつのアイスカップで、二種類のアイスを半々ずつ乗せてくれるタイプがあったので、迷わずしらすアイスとわさびアイスを注文。
見た目はごく普通のアイスです。白いしらすアイスと、緑のわさびアイスのコントラストが午後の日差しに美しく映えます。しらすアイスの黒い粒々はバニラビーンズでしょうか。

友人が生暖かく見守ってくれる中、最初の一口を口に運びました。まずはわさびアイスから。
・・・・・・あら、ちょっとおいしいかも。最初にバニラアイスの味が来て、そのくどさをかき消すようにわさびの辛味が爽やかに舌の上を通り過ぎます。ちょっと大人の味というところでしょうか。

そして、今度はしらすアイスです。
あ、普通においしい。というか、ただのバニラアイスだよ。生臭いとかそんなこともないし、全然だいじょ・・・ぶうっ!?
しらすの粒々が・・・・・・口の中に残る・・・・・・
海の波が、貝殻や美しい石を浜辺に打ち上げ、そして引いて行く様に、口の中に残されたしらす。
別にしょっぱいとかそんなことも無いのですが、バニラの味にしらすの食感、ものすごく不愉快です。
そして更にある事に気付きます。しらすアイスの黒い粒々は、バニラビーンズなどではなく、しらすの目玉だという事に。数多の目玉が、アイスの上から中から、私を見つめているのです。
これは、この世にあってはいけないものだ。目玉を見つめ返しながら、悟りました。

しかし、ここで捨てるなんて事は、お米には一粒に7人の神様がいると教えられて育った人間です、できません。どんなにやばいブツだとしても、一応は食べ物なのです。もったいないオバケがでます。それにしては、よく冷蔵庫の中の物を腐らせてたりしてましたが、いつの間にか食べれなくなってた食べ物に比べ、あくまで新鮮な物を捨てるというのは胸が痛みます。

よし、やってやる!食べきってやる!
”決意スキルを使用しました。やる気が上昇しました”
ぱく、ぱく、ぱく、。三口ほど食べました。


・・・・・・無理だ!
”あきらめました。やる気が減少しました”

しかし!私にはまだまだ秘策がありました。友人達です。
アンパンマンだって、たとえアンパンチも効かない強敵であっても、カレーパンマンと食パンマンの力が合わさってトリプルパンチを繰り出せば、倒す事が出来るのです。
さあ友よ!一緒に強敵(しらすアイス)を倒そうじゃないか!

「あのさ、一緒にこれたべてく・・・」
『ヤダ』
即答か!しかもハモりでか!
所詮は・・・所詮は愛と勇気だけが友達なんだぁー!!!

更に涙の味も加わってパワーアップしたしらすアイス。私は果たしてコイツに勝てる事が出来るのでしょうか。
できるだけ味わう事のないように、わさびアイスでカモフラージュしつつ、飲み込むように消費していきます。それでも口の中にのこるしらす。やはり強敵。
ここで思わぬ伏兵が。わさびアイスです。普通に食べればそんなことないのでしょうが、そのまま喉に通すように食べているため、喉にわさびの刺激が直撃、喉が痛んできたのです。
そして更に悪い事に、4月前半とは思えない暖かい気温によってアイスが溶け出し、食べるスピードを上げざるを得なくなったのです。

なんで私は、こんな事をしているのだろう。周りは皆楽しそうです。どの人も輝く笑顔で通り過ぎていきます。私だけが一人、絶望と戦っているのです。ごく普通のアイスを美味しそうに食べている子供が、死ぬほど羨ましいです。お姉ちゃんとそのアイス交換しない?と言ってしまいそうです。
力を振り絞るようにしてスプーンを口に運ぶ私の脳に、ある曲が流れてきました。
水前寺清子『365歩のマーチ』!

しあわっせは~あるいてこない~だーからあるいていくんだね~

嗚呼そうか、私は幸せ(アイスからの開放)になるために、これを食べているんだね。
もう脳内で鳴り響く水前寺清子のリズムに合わせて、ワンツー!ワンツー!とアイスを口に運びます。
横では声援する友人達。
「がんばれー!」
少しばかり彼女達の笑顔が鬼に見えましたが、今は前の敵にだけ集中です。

そして約五分後、私は戦いを終えました。
この戦いの、なんと、なんと長かった事か・・・・・・友人たちも祝福してくれています。運動したわけでもないのに、冗談抜きでぐったりです。
友人に労われつつ、車に乗り込みます。ありがとう、やっぱり貴方達は友達だよ!
そして友人が一言
「臭いがしたら嫌だから、車の中でゲップしたらパンチ5発ね。むしろ息あんまりすんな」
とも・・・だ・・・ち・・・

鬼を見ました。本物の。



花見は普通に楽しかったです。
花見、その3_d0013065_2139299.jpg

by unai-fsp | 2005-04-17 21:38 | ネタ文