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ROやコスプレ造形やネタの日々徒然。


by unai-fsp
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九月九日にきた つづき


日付的にはまだ昨日だから!嘘じゃないから!という言い訳をしようと思ったのに今日も書いてたら日付が変わった。うん、すいません。
これの続きです

前述の通り台風明けの日に家にやってきたコロ。特に大きな怪我や病気をすることもなく、14年間平穏に我が家の一員としてすごしてきました。ここ二・三年で老化により足腰や歯は弱くなったものの、毎日の散歩はやはり楽しくて仕方がない、そんな生活です。
仕事で家を出る時、家に帰ってきた時、その時々で寝こけていたり、何かを期待する目でしっぽを振っていたり、私の呼びかけに対して顔をあげたり、そんな姿を毎日ずっと見てきたし、これからも見続けていくのだと思っていました。

思っていたのです。



8月も終わりかけの金曜日の夜。仕事から帰ってきた母が厳しい顔をして言いました。
「コロが死ぬ」
それは本当に厳しい顔で、状況が決して甘く見られるものでなく、母自身もそれなりの覚悟を決めざるを得なかった事が伝わってきました。確認をしに、すでに犬小屋から手近な倉庫に移動させたコロの元に行くと、確かにぐったりとして立ち上がることすらままならない様子。餌どころか水さえ口にしません。
ああ、これは、死んでしまうんだな。
楽観的な予想をするわずかな余裕もなく、そう思わされました。

しばらく様子を見て、私達がそばにいても休むことも出来ないだろうから、とコロのそばを離れ母屋に帰りました。そして相談し、病院が嫌いな犬だから、最期に嫌な思いをさせて延命するよりは、そのまま自然に死を迎えるのをまとう、ということになりました。
コロが死ぬ。その事実はあまり突然すぎて、自分の中にある感情をどうやって処理していいのかもわかりませんでした。それが悲しみなら、涙に変換して吐き出せば幾分かは楽になるはずなのに、泣こうとしてもじわりと一瞬涙が溢れそうになるだけで、流れるまでにはいたりません。老化が進んでいたのだから、遠からずこういうことになることは頭では分かっていたのに、根本的な部分ではまるで受け入れていなかったんだなあ。もしかしたら私コロが死んでもそんなに悲しくないのかもしれない。本当は悲しくないのに、悲しいような気になってるだけしれないなあと、ぼんやりと頭の隅で思いました。

土日はそのまま特に症状が進退することもなく過ぎました。
月曜日。仕事が終わって家に車を走らせてると、前方に僅かに虹が出ているのが見えました。そういえば、死んでしまった動物が行く虹の橋のたもの話があったなあと思いながら運転を続けていると、最初に見えた虹はただの一部分で、途中で雲に隠れたりしているものの、本当はとても大きな虹が前方の空いっぱいにかかっていることに気付きました。
ああ、きっとコロはこの虹のたもとにいくんだ。いったんそう思い出すと、もう本当にそうだとしか考えられなくなって、きっとこの虹はコロを迎えに現れたんだ、本当にもうコロはいってしまうんだ、そんな考えが頭の中をまわります。そうしたらもうどうしようもなく悲しくなり、気付いたら目から涙が溢れ出していました。
体を撫でられるよりも頭を撫でられる方が好きで、頭をぐいぐい押し付けて早く撫でろと催促してくる姿。耳の部分のそこだけふわふわと柔らかくて短い毛の感触。散歩の時の嬉しくて仕方がないといった軽やかな足音。そんな細々としたイメージもぶわっと湧き出してきてもう止まりません。
静かに涙をこぼす泣き方だったらまだましだったのでしょうが、私は顔をゆがめて、さらに涙どころか鼻水もノンストップで溢れ出てくるという酷い泣き顔の人間なので、対向車両で私の顔を目撃してしまった人はさぞかしびっくりした事と思います。
しかしもう外聞を気にする余裕もなく、家に帰り着いてコロがまだ息をしているのが分かるまで、どうしようもなくみっともない姿を直すこともできませんでした。
なんだ、悲しくないなんてことないじゃないか、とんでもなく悲しいじゃないか。そう思いながらしばらくの間ずっと、静かに伏せているコロの頭を撫で続けました。





















そしてそれから十日以上経った現在。犬小屋はがらんとしています。


だが、そこには庭を元気に走り回るコロの姿が!


ええええええ今まで死ぬ死ぬ言って盛り上げておいてなんだそれ!と思われるでしょうが、びっくりしたんだ!私も家族も!元気になるなんてまったく予想してなかったからすごくびっくりしたんだ!それはもう世界○みえ風にナレーションしてしまうほどに!日記に書いてこのびっくりを伝えないとと思ってしまうほどに!犬小屋が空いてるのはいまだに倉庫で暮らしてるからだ!

以下経緯
二日目くらいでよく起き上がるようになり、三日目あたりで庭をぐるっと回れる程度に歩け、四日目五日目はさらに長い距離を散歩できるように。そして六日目には家を脱走して(つないでおく紐が緩んでいた)散々一人散歩を楽しんだ挙句、それでもまだ散歩を続けようとするので、祖母に首根っこを引っつかまれて家に帰還。
それまでずっと会社の昼休みにコロがまだ生きてるか確認の電話を入れる日々ではあったのですが、ここらへんであれ……?なんか元気になってね……?と気付く。
それでも餌は口にしないので心配していたのですが、十日目になってパン(犬用)を一口。それからはずみがついたのか、まだ胃が受け付けないだろうからとふやかそうとする端から食べる食べる。いまではもう依然とほぼ変わりなく体調が回復しました。
なんだよーもう心配させて!と言ってはみるものの、コロが久しぶりに餌を口にした時はもうここ数ヶ月で一番という勢いで嬉しくて嬉しくて、クララが立った!ばりに喜んでしまったので説得力がありません。
とりあえずまた同じようなことがあったら、今度はたとえ嫌がっても絶対に病院に連れて行こうと思いました。

そして元気になったのはいいのですが、散歩の際立ち止まると私の周りをぐるぐるまわってリードを絡みつかせるという新しい技をかけてくるのはやめて下さいコロさん。一人緊縛プレイは特に趣味ではないです。たまにあなたごと絡まってきますが、一人と一匹での緊縛プレイも特に趣味ではありません。
あと神社の鳥居のすぐそばの草むらでふんばらないで下さい。もちろん処理はしますが、バチがあたりそうで飼い主どっきどきです。
それと最後に、できるだけ元気で長生きして、これからも一緒に散歩に出かけて下さい、どうかお願いします。
by unai-fsp | 2008-09-12 01:32 | その他